パーソナリティ障害とは?パーソナリティ障害の診断基準と診断方法

精神疾患が我が国において注目されるようになってから、当然ながらパーソナリティ障害についても認知されるようになってきました。

しかし、十人十色である性格に正常と異常があるのかと疑問に思う人もいますし、性格が悪い=パーソナリティ障害と誤って認知している人もいます。

この記事では、パーソナリティ障害について正しい認識が持てるよう、パーソナリティ障害について詳しく解説していきます。

パーソナリティの異常とは?「パーソナリティ障害」前史

近年急速に認知されてきたパーソナリティ障害

パーソナリティ障害という言葉が市民権を得たのは、米国精神医学会が1980年に発行したDSM-Ⅲ(診断と統計のためのマニュアル)によって、診断の基準が明確になったことが大きいと言えます。

しかしそれより前から、パーソナリティの異常については精神医学の世界では注目されていました。

パーソナリティ障害概念の源流

パーソナリティ障害概念の始まりにはいくつかの流れがあると言えます。Pinel(1801)という精神科医は「妄想なき狂気」という言葉を提唱しています。これは、精神病(今日の統合失調症などの重篤な精神疾患を指す)ではない「狂気」ということであり、つまり精神病概念の残余としてパーソナリティの障害が挙げられてきたということです。

また、精神病と神経症の間にある病態なのではないか?とされてきた経緯もあります。このようにパーソナリティ障害の概念は、大変曖昧な概念なのです。

あなたはパーソナリティ障害?2つの定義を確認

適切な治療のためにも共通認識を得る必要があるわけですが、そこで出てきたのが世界保健機構(WHO)の国際疾病分類(ICD)と米国精神医学会の診断と統計のためのマニュアル(DSM)です。それぞれの定義では、パーソナリティ障害について以下のように説明されています。

定義①

    <国際疾病分類第10版(ICD-10)(1992)>

  • いくつかの根深く、持続的な行動のタイプを含んでいる。
  • この行動のタイプとは、社会的状況を欠く広範な反応パターンである。
  • これらのタイプは、個々の文化における平均的な個人の感じ方、考え方、他者との関わり方から、極端に相違し偏っている。
  • そしてこれらは変化を受け付けず、行動面及び心理面の多くに影響を及ぼす性質がある。
  • また、常にではないが、しばしばさまざまな程度の主観的苦痛や社会的機能の障害を伴っている。

定義②

    <診断と統計のためのマニュアル第4版(DSM-Ⅳ)(1994)>
    パーソナリティ障害の診断をする際には、以下の条件を満たすことが必要である。

  • その人の属する文化から期待されるものよりいちじるしく偏った内的体験および行動の持続的パターンであり、それは以下の2つ以上の領域に表れる。
    (1)認知(自己、他者、および出来事を知覚し解釈する様式)、(2)感情(情動反応の広がり、強さ、不安定さ、適切さ)、(3)対人関係機能、(4)衝動コントロール
  • その持続的パターンには柔軟性がなく、個人的および社会的状況の幅広い範囲に広がっている。
  • その持続的パターンによって、臨床的に明らかな苦痛、または社会的、職業的もしくは他の重要な領域における機能障害が引き起こされている。
  • そのパターンは比較的安定して持続しており、その始まりは遅くとも青年期もしくは成人期早期までさかのぼることができる。
  • その持続的パターンは、他の精神疾患の表れ、またはその結果では、説明されない。
  • その持続的パターンは、薬物(薬物乱用や投薬)の作用や一般身体疾患(たとえば頭部外傷)の直接的な作用によるものではない。

パーソナリティ障害と診断されるには

安易に自己判断をしてはいけない

以上のような定義および診断の基準がありますが、これらに当てはまる部分があるからと言って、パーソナリティ障害だと決めることはできません。一般の方の自己判断は、誤った見解を招きがちです。パーソナリティ障害だと思っていたが、実はその裏には異なる精神疾患や身体疾患が隠されていた、ということも大いに考えられます。

「自分は(あるいは家族等が)パーソナリティ障害なのでは?」と思ったら、精神科の病院やクリニックを受診し相談することが望ましいでしょう。医療機関にかかった場合、診断のためには以下のようなことが行われます。

医師による診察

パーソナリティ障害に限ったことではありませんが、精神の疾患が疑われる場合には医師と詳しく話すことが必要となります。症状だけでなく、生い立ちや家族関係など、その内容は多岐にわたるでしょう。医師はそのような情報を参考にしながら、診断をしていくことになります。なお、診断のためには複数回の診察が必要な場合が多いです。経過を観察していく中でより正確な判断をしていくことがその理由です。

臨床心理技術者による心理検査

医師の診察と並行して行われることが多いのが、臨床心理技術者による心理検査です。心理検査は、その人の性格や知能などを確認し、その人の困り感がどこに起因するのかを把握し、診断や治療に役立てていくために行われます。典型的なパーソナリティ障害の方の場合、特徴的な結果が表れる場合が多いのです。

以上のような作業によって、パーソナリティ障害の診断をしていくことになります。

どのくらいの人がパーソナリティ障害と診断されているのか

一般人口のおよそ15パーセント!?

では、どのくらいの人がパーソナリティ障害に罹患するのでしょうか。海外での調査ですが、Grant(2004)らは、一般人口における14.8パーセントというかなり高率の有病率だったことを指摘しています。

ただし、地域・人種・文化的な差異によって、パーソナリティ障害の多さというのは異なると考えられており、曖昧な概念であるうえ、診断方法も十分に確立しているわけではないですから、有病率はあまり鵜吞みにしない方がいいでしょう。

パーソナリティ障害は大きく3つのタイプに分けられる

DSM-Ⅳでは、パーソナリティ障害を大きく3つのタイプに分類しています。詳しい解説は割愛しますが、以下の通りです。

    <パーソナリティ障害の分類>

  • 奇妙で風変わりなA群…妄想性パーソナリティ障害、統合失調質パーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害
  • 演技的・感情的で移り気なB群…境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害
  • 不安で内向的なC群…依存性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、回避性(不安性)パーソナリティ障害

まとめ

診断基準と診断方法を中心に、パーソナリティ障害の概要を解説しました。パーソナリティ障害概念はかなり前から注目されていましたが、かなり曖昧な概念です。診断基準が一応明確になってはいるとはいえ、一般の方が判断していくのは難しいと言えるでしょう。

必要な場合には医療機関に受診・相談をされることをおすすめします。

最後にパーソナリティ障害の分類について簡単に触れました。ベースにあるものは似通っていますが、この分類のように表れ方は多岐にわたるというのがこの疾患の特徴でもあります。本人と周囲の人々の気持ちが少しでも楽になるために、適切な理解と対応をしていけるとよいですね。

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